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彼女は縁側に座った。
庭には色とりどりの花が、いくつか咲いている。
僕はいつものように、彼女の膝の上に乗った。
彼女は僕の頭を優しく撫でてくれる。
僕は気持ち良くて、ゴロゴロと喉をならした。
「陽の当たる場所で死にたい」
彼女は微笑みながら、空にある眩しい光を見て言った。
僕は彼女の見ている光を見ると、眩しくて目を細めた。
これが陽なんだ、と思った。
僕にはそのとき彼女の言っていた『死にたい』の意味が、よく分からなかった。
やがて窓の外がオレンジ色に染まり、あっという間に、暗い暗い夜になった。
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