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「まあね。誰でも取れるけど」
「そうなんだ。実は知り合いの運送会社でな、リフターを探しているんだって」
「リフター?」
「リフトの運転をする奴のことだよ。なんか急に二人辞めてしまって大変だってさ」
「へ~」
「和久、今さプーなんだろ? だったらさ、せっかく資格取ったんだから利用する手はないぞ。俺が紹介してやるよ」
「う~ん」
「何? 実家のお茶屋を継ぐ予定?」
「違うよ。ただ急に言われても……」
僕は考えているふりをして、うやむやにしてしまおうと思っていた。実はあまり運転に自信がなかった。
「面接受けて見ろって。絶対採用なんだからさ」
「う~~~ん」
「和久、その煮え切らない態度は直した方がいいぞ。生活を安定させるのが一番じゃないのか」
「そうだけど……リフトねぇ~」
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