~冬だから…~

8/13
前へ
/57ページ
次へ
その試合は決して人に見せる為でも、何か賞のかかった試合でもない 誰かの為でもチームの為でもない 自分の為に楽しんでいる そんな印象を受けた… 「かっこいい…」 容姿がではない 素直にその人がプレイする姿がかっこよかったのだ するとじっと見ていた少年が豪快に地面を蹴り、ダンクしようとした しかし…ジャンプした彼を大学生っぽい人は叩き落とした 「ぐぇ…」 鈍い音を立てて頭を押さえる少年 同時に試合終了のブザーが鳴った 「お疲れぇ」 お互いに握手しあう 私は思った… バスケは…勝ち負けだけじゃ終わらない… 負けてもそこから得たもの… それがあるはずだと そう思った次の日から私は練習に励んだ プレッシャーに弱いなら自信がつくまで練習すればいい そう考えたから… それからも彼の…哲人君の姿を見によく通っていた そう…私は彼にあこがれていたのだ…
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加