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どれくらい泣いたかな…
私は泣きつくし、仕方なく立つ
携帯で時計を確認すると朝練の時間がもう5分しかなかった
「さぼっちゃった…」
悲しさをこらえて学校へ向かった
その足取りは重い
「あやちゃん!」
不意に後ろから声をかけられ反射的に振り向く
そこには茶色かかった髪を流した少年が心配そうな顔をして見ていた
「なおくん…」
少年の名前は樋口直也
駒井高校バスケ部でC(センター)と呼ばれるポジションをするキャプテンである
性格からにじみ出ている優しい顔と端正な顔つきから女子に人気である
なお「どしたの?哲人は?」
「…」
なお君の質問に思わず言葉が詰まる
なお「一緒に行くかぁ…話聞くぜ」
「ありがとう…」
そーだよなぁ…
なお君は私よりも哲人君のこと知ってるし…
「ねぇ、なお君、哲人君って今までどういう恋愛してきたの?」
なお「哲人?んー…あいつに好きな人の話なんて聞かなかったしなぁ…噂じゃ亜依って子と付き合ってるとか聞いたけど…亜依とはそーいう仲には見えなかったけどな」
亜依…誰だろ…
「亜依って?」
なお「俺達の中学ん時は知ってる?」
「うん」
なお「そんときに組んでた女の子や」
不恰好な関西弁を使って亜依について説明するなお君
私はふと思い出した…
初めて哲人君を見たときの事を…
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