しあわせの王子様

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少女は言う。 私ね、必要な分以外は なんでも全部他の人にあげることにしてるの。 私は問う。 喜びや楽しみは? 少女は答える。 私もたくさん必要だから、少しだけあげる。 私は問う。 悲しみや辛さは? 少女は答える。 私にはそんなにいらないから、たくさんあげる。 この少女に罪はない。こんな少女を作り出した、この世の中に罪がある。 私は言う。 そう。 少女は問う。 ねぇねぇ、私もしあわせの王子様みたいになれるかな? 私は笑う。 無理ね。だってあなたは女の子だもの。
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