田中由美子~file1~

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移動と説明を繰り返されて、なかなか終わらない1日がゆっくりと過ぎていた。 由美子は相変わらずオレの隣を陣取ってくれていた。 まぁ、基本的に知らない人ばかりの世界だ。少しでも話をした人と居るのが定石と言えば間違いない。 彼女がトイレに行ったスキにオレはゆっくり周りを見渡した。 この教室には同じ学部の同級生で満たされている。 何人かの女はいるが…少ない。全体数が少なめな法学部ではこんなものかな。 中には何人かは普通か可愛い子もいた。まぁ、隣に座った由美子が何かの縁ってやつかな。 周りの野郎も見渡してみたが…興味ないのでどうでも良かった。 友達なんてそのうち出来ると思うしね。 「ゴメン、まだ始まってないね。良かった。」 由美子がトイレから戻ってきた。 「あぁ、もうそろそろだけどね。」 由美子の方をみると女の子が他にもいた。 「じゃあ、また後で…。」 多分、トイレで顔を合わせて…みたいなパターンかな? まぁ、人数も少ないし同性同士で群れたがるのも分からなくない。っというよりも、作戦通りだ。 色んな女にちょっとずつ話すよりも一人にタップリ時間を取れば後は芋づる式だ。 とりあえず…、今は…。 「あのさぁ、ユミちゃん。これ終わったらどっか行こうよ。オレ、帰っても1人暮らしだからする事ないんだよね。忙しい?」 「ううん。暇だよ。どっか?…いいけど、どこ行く?」 「う~ん、…わかんないから案内してよ。どこでもいいし…。」 オレは本当はどうでも良かったが、とりあえず笑顔で会話をしておいた。 多分…この子は…。 「じゃあ、考えとくよ。」 由美子は笑顔で答えた。 …予想通りだ。 多分、終わる頃にも決まっていないだろう…。 まぁ、残りの時間で流れはどう動くか…、他の女の子とも仲良くなって群れるだろうし…。 オレは流れに身を任せてみる事にした。 ツカミは出来てる。 コイツの事もわかってきた。 もう少し…、この女を分析してみるか…。 しかし、この流れが意外な方向へ行き、予想以上の思わぬ展開へと行く事になる。
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