田中由美子~file1~

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「由美子、なんでバスにしたの?」 オレは少しイジワルな質問をした。 「えっ…。こっちから帰った方が…近いし…。」 「あっ、そうなんだ。オレと同じ事考えてるのかと思ったのに……。」 「んっ?何を………」 オレはこちらを向いて話していた由美子に軽くキスをした。 「もう一度…キスしたかったんだ、由美子と…。」 「あっ、うん……。でも……。」 「もう、でも…はナシだ。」 オレは肩を抱いていた左手を腰に回し右手で由美子の顎を軽くあげた。 チュッ、チュッ、チュッ、クチュ、チュッ、クチュ、レロ、クチュ、グチュ、レロ、レロ、チュパ。 軽いキスから舌を入れると、由美子はもう抵抗もなく舌を絡めてきた。 ジュル、チュパ、クチュ、クチュ、チュッ、チュパ、チュパ、チュッ、チュッ、クチュ。 もはや、絡んだ舌を吸い上げようと、前歯の後ろを舐めようと、必死で舌を絡めてくる。 もう、キスに酔っているのだ。 オレは腰を抱いていた腕をゆっくり下ろしスカートの上から形の良い尻を軽く撫でた。 右手は顎からゆっくりと下ろし、スーツのジャケットの中へ滑らした。 ブラウスの上からゆっくりと胸を触ると流石に由美子が反応した。 「チュッ、チュパ、んっ…、ダメだよ。」 (わかってるさ。とりあえずだよ。) 「ゴメン……。……駅……行うか…。」 オレはすぐに離れた。 「………うん。」 しばらくオレは無言で二歩前を歩いた。 しかし、駅近くでオレが黙って差し出した手を由美子は優しく握った。 「明日、まだ、休みなんやね。」 由美子から話かけてきた。 「あぁ、そうだね。暇だから部屋の片付けでもするかな……。」 「そっか…、引っ越し終わったばかりやもんね。」 「暇なら、手伝ってくれる?オレ片付けとか苦手なんだよね。」 「帰ってみんとわからへん。彼氏からなんか言ってくるかもやし…。」 「そっか……、彼氏って予備校生だっけ?…じゃあ、夜にでも電話してよ。」 「うん…、電話していいの?」 「間違いなくオレがでるし…、ってか、オレしかいないからね。」 「ははっ、そうだね。じゃあ電話するね。」 「あぁ、待ってるよ。」 由美子は電話の約束をして電車にのった。 その電話で……、予想通り、いや、計画通り彼女はウチに来る事になった。
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