前田彰和~prologue~

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「………ねぇ、ねぇ、アキ?!聞いてる?」 「あっ、あぁ……、ゴメン。ちょっと、ボーっとしてた。」 「最近多いよ…、疲れてる?大丈夫?」 「あぁ、うん。大丈夫だよ。」 …とは言ってみたものの正直しんどい。 美沙に話を聞いてからもう2日経っていた。 予想通り何も言えないボクがそこにはいた。 どんなに考えてみても最良の策などないように思えた。 そう、むしろこんな風に…、何もなかった、何も聞いていない事として、これまで通りが一番だと思った。 いつも通り2人で楽しく…。 このまま2人で笑顔のままで…。 お互いを求めあい…。 しかし…、マイの笑顔が可愛い程に、2人の時間が楽しい程に、キスを交わす程に、ボクの中のボクは懐疑というナイフに刺された。 それでもどこかで、信じていたのだ…。 こんなにボクはマイを愛している。 伝わらないハズがない…。 きっとボクへと帰ってくる。 いや、そんな噂は嘘なんだ、マイがするはずがない。 ……こんなに愛しているのだから……、っと。 そんな状態が一週間もたつころには、許容量はいっぱいだが、ボクもなんとか痛みには慣れてきはじめた。 ……しかし、ボクに限界を感じさせる出来事は突然に訪れた。
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