危うく命が…

3/5
前へ
/146ページ
次へ
水浴び…簡単に言えば『お風呂』。 何ですか? ミリィさん、お風呂に入りたいんですか? 思わずニヤける顔を、無意識に叩いて普通の表情を作ろうとしたが、無理だった。 …フフフフフ。 風呂。ウケケケケ! 裸。ウキャキャキャキャ! 完全にトウヤの中で何かがトンだ。 「こっちの世界では、水浴びじゃ無くて、風呂に入るんだ。 案内するよ。」 バスルームへとミリィを連れていき、トウヤは一度ドアを閉めた。 そのまま、ドアに張り付いて耳をすますと、ドアごしに服を脱ぐ音が微かに聞こえる。 そして、しばらくして風呂に入って行く音がした。 …さて、行きますか! 意を決して、風呂場へと繋がるドアを開けると…すぐそこに仁王立ちで腕を組み、トウヤを睨むミリィがいた。 途端にドアを勢い良く閉めるトウヤだったが、ミリィはお構いなしにドアをトウヤごと吹き飛ばした。 ベチャッ!という音とともに、壁に叩きつけられたトウヤは「せめて…服を脱いでろよ」という心からの願望を呟きながら、気絶してしまった。 次に目が覚めた時には、既にミリィは風呂あがりらしく、ツインテールだった髪を解かし、タオルで拭いていた。 「ああああ…俺の青春が…」 力尽きた様な声を出すトウヤだったが、次の瞬間には歓喜していた。 何と、ミリィがバスタオルを体に巻き付けただけという格好だったのだ。 「ヌアアアアアア! 男の夢その1! 風呂あがりの可愛い女の、バスタオルのみという姿! 神様!感謝します! 俺は、今日まで生きてきたことに感謝いたします! ギャーーーー!!!」 トウヤが神様に感謝を捧げ終わった瞬間、ミリィの情け容赦ない攻撃がトウヤを襲う。 トウヤは、ミリィが放った炎玉をくらい、再び気絶してしまった。 「今度から、トウヤを気絶させてからお風呂に入ろうかな。」 何とも物騒なことを呟くミリィだった。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10113人が本棚に入れています
本棚に追加