1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
今日ある奴に言われた。
『殺してやる』
こう思う。あぁ…それもいいかもしれない。
楽になれるんだろうか…
怖さなど感じなかった。
冷たい目をしていたかもしれない。
いや。心すら冷たかったかもしれない。
なぜか相手の気持ちを考えてみた。
殺してしまいたいほどの感情を俺に抱いたこいつは、俺に何を望んだのか。
俺には、何もない。
俺は、何も持っていない。
俺は、何もできない。
『殺したいなら好きにすればええ』
俺は、振り返る。
何も怖くは、なかった。
殺されるのを待ってみたけど後ろでは涙する音しかなかった。
それでも俺は、ただただ歩き続けた。
最初のコメントを投稿しよう!