プロローグ

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「歓迎するよ新入部員くん。僕の名前は…そうだねー。部長でいいよ」 本で埋もれた机のうしろで手を振った。 部長で良いって…名前じゃないだろ。 それを呆れて見ている俺を連行してきた女生徒は一喝してから、高い位置で結んだ髪を翻して俺の方に向いた。 「なんですかそれ。私はユウキでいいわ。それから…」 「はじめましてぇ。春ですぅ」 「俺は秋!よろしくッ!!」 急に現れた二人に俺は驚いた。 色んな意味で。 一人は制服を改造して世間で言うロリータと呼ばれる格好をしており、もう一人は同じく制服を改造してパンクな格好をしていた。 それと。 顔がまったく同じだった。 「あいつら双子なの。なのに何もかも正反対なのよ。性格も性別も」 「あの…」 「私たちの活動内容はもちろん古典文学の研究よ」 「俺、全然古文とか興味ないんですけど」 「別に気にしないわ。貴方が思っている古典文学ではないの」 「は?」 「私たちの活動内容の真相は…」 「真相は…?」
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