命を奪うこと、奪われること

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マスターは爆風が収まる前に立ち上がると、未だに立っていた男たちの頭をを素早く、正確に撃ち抜いていった。 仲間が次々と倒れていく光景に、残り少ない男たちはうろたえた。 その隙にマスターは背中のベルトへと手を伸ばして、持っていた銃と、ベルトに挟んでいた銃を取り替えた。 「頼むぜ、“ボレロ”」 マスターが取り出したのは、銀色のバレルに、細長い真紅の石が埋め込まれている、50経口の“破壊力抜群”なんてレベルじゃない銃だ。 その破壊力抜群の弾は、真っ直ぐに進んで、男たちの所有物である、最後の一台のトレーラーにぶち当たった。 あらかじめ燃料を被せ、さらに爆弾が仕掛けてあるその車は、たった一発の弾で見事に大破した。 ここまでやると、“お見事”としか言いようがない。 ちなみに、すべてマスターが仕掛けたものだ。それもすべて、戦闘中に。 一体何処でそんな技術を覚えたのだろうか… いろいろな意味で怖くて聞けない。 マスターは再び銃を最初に使っていた、38口径の銃を手にして撃ちながら走って行った。 私も急いでその後を追って走る。 しばらく見ないうちに、廃墟は死体と血で埋め尽くされていた。 さすがのマスターも連続殺人新記録を打ち出したのではないだろうか?
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