命を奪うこと、奪われること

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瓦礫の間を走りながら、“運悪く”生き残っている男たちが撃ってくる弾を避けながら、確実に相手を撃つマスター。 さすがに、走りながらでは致命傷は与えられなかったが… 順調だと思っていたその時、 カチッ その空しい音と同時に、瓦礫の陰に滑り込む私たち。 そしてマスターの衝撃の一言。 「やべ。弾切れた。」 えぇ…どうせそんなことだろうと思いましたよ。 マスターのバカ!! 「なんでいつも肝心な所でバカなセリフを言うんですか!?」 「オレは悪くないね。こんなに多いなんて聞いてなかったし。…報酬は三倍にさせないとな。」 私は大きくため息を吐いた。 こんな状況でも、お金の話ですか?本当にマスターは意味不明だ。 そう思っていた矢先、マスターは私に指示を出した。 声に出さず、目と手で指示を出すこの方法は、マスターが一番に私に教え込んだものだ。 見た目よりも案外複雑で、必死になって覚えたものだ。 ものの数秒で指示を終えると、マスターは近くにあった、その手にやっと収まるくらいの石を男たちの方へと投げた。 その瞬間を狙って、私は瓦礫の陰から走り出した。 じりじりと間合いを詰めてきていた男たちは、石に気を取られ、ワンテンポ遅れて私へと銃口を向けた。 「バカヤロウ!!犬は囮だ!男を殺れ!!」 すかさず、リーダーの男の罵声が飛ぶ。
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