命を奪うこと、奪われること

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その間に私は目的地へと辿り着き、今はすでにただの肉の塊と化した男が使っていた、まだ弾の残るマシンガンをくわえた。 それと同時に、ツメを上手く使って上半身を固定。 走っていた反動で、私の下半身は砂塵を巻き上げながら回転。 180度、体の向きを変えた私は、マスターへとそのマシンガンを思いっきり投げた。 タイミングを合わせて立ち上がっていたマスターは、それを見事空中で受け取って、男たちへと乱射。 男たちは、体を小刻みに震わせながら、小さな穴を体に開けていく。 乱射が終わると、その穴からじわりじわりと紅い鮮血が溢れ出してくる。 すでに“人”でなくなった男たちはそのまま地面に倒れると、しばらく体を震わせて、動かなくなった。 その一部始終を、平然と死体の山と血の海が出来た廃墟で見つめるマスター。 「さて、アンタの仲間は全員、逃げるか死ぬかした。…最後はアンタだぜ?」 恐怖で腰を抜かして立てなくなったリーダーの男の額に、“ボレロ”が突き付けられた。
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