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やっとのことでバイクを完成させて、旅立ちの準備を済ませる頃には、少年は16才になっていた。
少年の作り上げたバイクは、黒と白のモノクロ調に仕上がった。
寄せ集めの部品で作った割には、中々の出来だった。
少年はバイクに、昔読んだ本に載っていた、何処かの國の“白”と“黒”という言葉を取って、“ヴァロラ”という名前を付けた。
少年は最後に、今まで自分の“世界”だった國を振り返った。
「ありがとう、ございました。……さようなら」
そう呟いた少年の灰色の瞳からは、涙が一筋、流れていた。
城があった。
ボロボロに崩れて、威厳を無くした城が。
國(クニ)があった。
誰も知らない山奥で、ひっそりと廃れていく國が。
見るも無残な、古城聳え立つ國の亡骸で、動く影がは何一つ無かった。
=More to the past…=
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