盗難された國

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「それよりマスター。なんか…人の注目を集めてませんか?」 現在私たちは人通りの多い通りで買い物中。 そんな中、さっきから人の視線という視線が刺さってるんですが… 「お前がぺらぺら喋ってるからだろ」 むぅ… 喋る犬っていうのはそんなに珍しいものなのだろうか? 「あの、マス――」 ガッ 突然、私の体が中に浮いたかと思うと、どんどんマスターから遠ざかって行った。 はいっ? ワンテンポ遅れて、状況が伝わってきた。 どうやら私は知らない人間に抱えられていて、 その人間は猛ダッシュで走っているらしい。 ・・・・・・ 「ぎゃぁぁぁ!!マスター!!!」 ジタバタと暴れても効果なし。 当のマスターはすでに人ごみで見えず。 私を抱えている奴はどんどん裏路地へと進んで行く。 うぅ…ますたぁ…助けに来てくれますよね…?
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