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マスターは地面に落ちた空薬莢をすべて拾うと、それをバイクの荷台に積んである小さな銀色の箱へと入れた。
「ここから少し先に行ったとこに、腕利きの修理屋がいる國がある。そこ行くぞ。」
そう言って出発準備を始めるマスター。
私はいつものように荷台に飛び乗ると、マスターが準備を終えるのを待った。
「ご自分で修理されないのですか?バイクも、もう一丁の銃も、ご自分で修理なさるのに。」
「“ボレロ”は特別。」
私が口を開く代わりに専用の綱をくわえると、バイクはうなり声をあげて、砂埃を後に走り出した。
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