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『エルフ暦3079年＝地球暦1999年 夏
我々は永い永い時を宇宙に預けてきた。
幸い、我々エルフ族以外の種族も絶滅していなかった。
そして遂に新たな銀河で新しい太陽を発見した。
当然のごとく我々は太陽を目指し、進んでいった。
しかしそこで誤算が生じた。
なんとノルンヘイムは、ある惑星の引力によって吸い寄せられたのだ。
その惑星とは《地球》である。
我々も地球側もあらゆる手段を用いて、なんとか衝突を回避しようとしたのだが、結局その目論見は失敗に終わり
２つの星は衝突したが、壊れることは無かった。
なんと２つの星は融合し、新たな１つの星となったのだ。
こうして、今我々が住んでいる星が誕生した。
最初のうちは《恐怖の大王》だなんだと色々な混乱はあったものの、
50年程で２つの星の交流が確立され、現代では平和な世の中となっているのです。
おしまい じゃん♪』
………………
「終わったね～。けっこう楽しかったなぁ～」
「ま、暇つぶしにはなったかな。終わりの方は何かグダグダだったけど」
「兄キぃ、そんなこと言ってズイブン楽しんでたんじゃない？」
「ん？そうだったっけ？
まあ、話の内容としては大抵の人は知ってる事だったから、それなりには楽しめるけど」
２人揃ってアニメの感想を言い合い、お茶を一口飲んで落ち着く。
我ながらなんと充実しない休日だろうかと思いつつ、テレビを何気なしに見ていると、
ピンポン、ピンポーン
という音がして、テレビ画面が１人のニュースキャスターの姿を映した。
『え～、たった今緊急のニュースが入りました』
何だろうかと思い、改めてテレビ画面に注目をすると、画面がどこかの街を映し出した。
『つい先ほど、日本国北海道地区の都市にて、住民の飼っていた魔獣が逃げ出しました。
逃げた魔獣は事件発生後、一時間ほどで捕獲されましたが、その間近隣住民が噛まれるなど重軽傷を負いました。
なお、この魔獣はＢＢＣ社製の物で、警察では事件、事故両方の面から捜査を進めているとのことです。
以上、緊急ニュースでした』
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