闘争から出逢いへ

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会社の正門から数十メートルの地点にゲートの出口を設け、降り立った。 チラリと正門の方を見やると、黒山の人だかりと表現できるほどの人が居て、ガヤガヤと騒いでいた。 その人数の多さに嘆息しつつ、近づいていくとはっきりとした声が聞こえてきた。 「今回の事件について、会社側はどう考えているんですか!?」 「今後の経営方針は!?」 「責任者出せー!責任者!」 「下がって!帰ってくださーーい!!」 どうやらマスコミと警備員とが押し問答をしているらしい。 その周りを、いち早く情報を知りたかったのか、あるいは単純な好奇心からか、多くの野次馬が取り囲んでいた。 「仕方ないかな」 ポツリと一言呟き、そして大きく深く息を吸った。 息と共に吸ったマナを体内で変換し、脚に集中させる。 「よし、行くか」 掛け声と共に人垣に向かって全力で駆け出し、高跳びの要領で飛び越える。 数秒の空白の後にダンッという音を立てて着地した。 その距離、裕に15メートルはあっただろうか。 一瞬、場がシンと静まり返るがまたガヤガヤと騒ぎ始めた。 フゥと息を吐くのも束の間、僕の所に警備員がやって来た。 緑色の顔に痘痕だらけという、普通の人間であれば何らかの病気なのではないかと思われる男である。
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