『真実の月』と『真実の友』

13/15
前へ
/15ページ
次へ
手が届けば自力で這い上がる。」 「わかった!」 ウサギ達は、ロープを握りしめた。 「それじゃあいくよ~!」 「オーーーーーーっ!」 掛け声と共に、皆一斉にロープを引っ張った。 「ソーレ、ソーレ、ソーレ、ソーレ!」 少しずつだが、シロクマの体を持ち上げ始めた。 そして…。 ガシッ! シロクマの手が、地上へと届いた。 しかしシロクマは這い上がれないでいた。 思っていた以上に、シロクマには体力が残っていなかったのだ。 「みんな~もっと力を入れて~! もう一踏ん張りだぁ!」 それに気付いたピートが、更にみんなをあおる。 「ソーレ、ソーレ、ソーレ、ソーレ!」 ウサギ達の引っ張る力と、シロクマの最後の踏ん張りで、ようやく地上へと引き上げる事ができた。 「ハァハァハァハァ…。」 「ハァハァハァハァ…。」 「ハァハァハァハァ…。」 ウサギの群れも、シロクマも横たわり、息切れをしていた。 「やったぁ~!」 ピートは息が整うと、大声で叫んだ。 「みんなありがとう…。」 シロクマは横になったままだったが、ウサギ達にお礼を言った。 ウサギ達は皆立ち上がり、シロクマを囲むように集まった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加