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ここは雪国。
大きな大きな雪山を、すごい勢いでかけ登って行くウサギの群れがいた。
朝早くから麓を出発したのに、辺りはもう薄暗くなってきていた。
それでもウサギ達のペースは落ちるどころか増すばかり。
しかし疲れて着いていけないウサギが、何匹か群れから遅れをとり始めた。
その中で一番端の方を走っていたピートという小柄なウサギが、足元に違和感を感じた。
「あれれ?地面がない!?」
と思った瞬間、ピートは体制を崩して大きな穴へと落ちてしまった。
暗がりで、足元が見えなかったのだ。
ボフッ。
雪のクッションで体は守られたけど、とても深くて大きな穴に落ちてしまった。
「イテテ…。」
ピートはヒョコっと起き上がって上を見上げた。
「どうしよう…。
みんなとはぐれちゃった…。」
今にも泣き出しそうな気持ちをおさえて、ピートは辺りを見渡した。
そして更に泣き出しそうになった。
大きな穴には出口がなかったのだ。
「わ~わ~わ~どうしようどうしよう!?」
ピートはパニックになり、無造作に走り、暴れ出した。
「うるさいぞっ!騒ぐんじゃねぇっ!」
「っ!!!!!!!!」
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