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ピートの目は、希望に満ち溢れた輝きを放っていた。
シロクマにはそれがまぶしく感じた。
「仲間と一緒になって頑張ってここまで来たんだ!
こんなところで諦めるもんか!」
ピートは、食べられるという恐怖を捨てて、必死に叫んだ。
「仲間?
その仲間はどうした?
何故お前を助けに来ない?」
「うっ…。」
ピートは口ごもり黙ってしまった。
「仲間なんてそんなもんさ。
俺も体が小さいというだけで、仲間を外され、群れを離れた。
そしてこの様だ。」
ピートには考えられないほどの大きさだけど、群れの中では小さかったようだ。
「そんな見かけで判断する様な仲間なんて、本当の仲間じゃない!」
と叫んだと同時に、後ろに下がっていたピートの背中に壁が触れた。
シロクマとの距離が縮み、シロクマは腕を伸ばしてきた。
ピートはその場にしゃがみ込み、丸くなった。
「っ!?」
声にならない驚きと同時に、ピートはシロクマに、ヒョイっと持ち上げられた。
ピートは硬直して動けない。
シロクマは片手でピートを持ち、その手を肩の辺りに持ってきた。
そして足を踏ん張り…
「うおぉぉぉーーーーーーーっ!」
と叫ぶと、その手を勢いよく空に向かって伸ばした。
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