『真実の月』と『真実の友』

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手が伸びきると同時に、ピートはシロクマの手から離れて飛んでいった。 ボフッ! 着地した場所は、穴の外の地面だった。 「助けてくれたの?」 ピートが起き上がり、そう思った瞬間…。 ドスーーーンっ! という凄い音が響いた。 音は穴の中からだった。 ピートは恐る恐る穴を覗き込むと、シロクマが仰向けになって、大の字になって倒れていた。 今の音は、シロクマの倒れた音だった。 「どうして…どうして助けてくれたの?」 ピートは穴に向かって叫んだ。 「お前が夢を…夢を持っていたからかな…。 俺は全てを諦めていた…。 でもお前は、絶望の中でも最後まで諦めなかった…。 ただ……ただ、そんなお前の力になりたいと思っただけだ。」 シロクマの声は、今にも途絶えそうな小さなものだったが、ピートの大きな耳は、全てを聞き取っていた。 「ありがとう…本当にありがとう! シロクマさん…少しだけ待ってて! 『真実の月』を見たら、必ず助けに戻ってくるから! 絶対に諦めちゃダメだよ!」 「どうやって助けるっていうんだ? もう俺の事は気にするな。」 「絶対に助けるから! ねぇシロクマさん! シロクマさんの夢を教えてよ!」
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