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「んで、顕壱君は何をお悩みで?」
勇介は違うクラスなのに
わざわざ俺のクラスまで来てくれた。
「何つぅか…俺変なの」
「変?」
勇介はキョトンとした顔でオウム返しをしてきた。
「佐田を護りたい、佐田の苦しみをとってやりたい…そう思うんだ」
「うん…」
「佐田の笑顔を見た時今までにない感覚がして。鼓動が速くなってまともに佐田の顔見れんくて…思わず逃げて来てしまった。俺どうしたんかなぁ…」
数秒間の沈黙が流れた
俺の話をウンウン頷いてた勇介が笑ってサラリとこう言った。
「恋だね」
…………………………………………………は?
「俺が恋?何で?初恋もまだなのに?」
俺の言葉を聞いて勇介が
ため息をついた。
「やれやれ…」
まるで『これだから恋した事のない奴はなぁ』とでも言いたげな顔だ。
「……何だよ」
俺は馬鹿にされた気がして勇介を睨んだ。
「あのさ、よ~く聞くんだよ?」
「おう」
「あのね……」
ゆったりした口調で勇介は語り始めた。
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