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あっちから来るかな…
なんて期待してみたけど
来なさそうだったので俺からメールする事にした。
《佐田…少し真剣な話していい?》
返信は10分後に来た。
《良いよ》
たったそれだけ……、
と思ったけど返信した。
《今日の待受、お前の気持ちそのままじゃねぇか?》
《そうだよ…》
《その気持ち、俺に言えねぇ?》
佐田が1人で苦しんでる気がしたんだ。
《これはね、工藤先輩への想いなんだ。うち4月からずーっと好きなん。冬美先輩に協力してもらってメールも電話も出来るようになった。だけど工藤先輩には彼女がいて…それが冬美先輩で。裏切られた気持ちになった…。でもうち工藤先輩も冬美先輩も大好きだったの。だから忘れようと必死なの。大好きな2人の邪魔したくないんだ…》
凄い長文だった。
佐田が俺に話してくれた事が嬉しかった。
《そっか…。お前本当に工藤先輩が好きなんだな。別に無理に忘れんくてもいくね?》
《でもね、苦しいんだ。工藤先輩を想うたびに胸が苦しくなる…》
今佐田はどんな顔をしてメールを送受信しているのだろう。
《じゃぁ俺がその苦しみを取り除いてやる》
自然にそう送っていた。
別に格好つけたわけでもなかった。
本当に本当にそう思ったんだ。
《神山…ありがとう》
俺は何であんな事を言ったのだろう。
今思えば目茶苦茶クサい言葉だ。
だけどその時の俺は真剣だった。
《俺初恋もまだだし恋愛なんて分かんねぇ。だけど話くらいなら聞いてやれるからさ》
いつも笑顔の佐田だけど辛い思いしてるんだな…。
この日は工藤先輩の話をして終わった。
佐田からは工藤先輩への切実な想いが伝わってきた。
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