○●初めての恋○●

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あっちから来るかな… なんて期待してみたけど 来なさそうだったので俺からメールする事にした。 《佐田…少し真剣な話していい?》 返信は10分後に来た。 《良いよ》 たったそれだけ……、 と思ったけど返信した。 《今日の待受、お前の気持ちそのままじゃねぇか?》 《そうだよ…》 《その気持ち、俺に言えねぇ?》 佐田が1人で苦しんでる気がしたんだ。 《これはね、工藤先輩への想いなんだ。うち4月からずーっと好きなん。冬美先輩に協力してもらってメールも電話も出来るようになった。だけど工藤先輩には彼女がいて…それが冬美先輩で。裏切られた気持ちになった…。でもうち工藤先輩も冬美先輩も大好きだったの。だから忘れようと必死なの。大好きな2人の邪魔したくないんだ…》 凄い長文だった。 佐田が俺に話してくれた事が嬉しかった。 《そっか…。お前本当に工藤先輩が好きなんだな。別に無理に忘れんくてもいくね?》 《でもね、苦しいんだ。工藤先輩を想うたびに胸が苦しくなる…》 今佐田はどんな顔をしてメールを送受信しているのだろう。 《じゃぁ俺がその苦しみを取り除いてやる》 自然にそう送っていた。 別に格好つけたわけでもなかった。 本当に本当にそう思ったんだ。 《神山…ありがとう》 俺は何であんな事を言ったのだろう。 今思えば目茶苦茶クサい言葉だ。 だけどその時の俺は真剣だった。 《俺初恋もまだだし恋愛なんて分かんねぇ。だけど話くらいなら聞いてやれるからさ》 いつも笑顔の佐田だけど辛い思いしてるんだな…。 この日は工藤先輩の話をして終わった。 佐田からは工藤先輩への切実な想いが伝わってきた。
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