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「あ…神山!!」
俺がいつものように目を擦りながら歩いていると,
後ろから声がした。
ゆっくりと後ろを振り返れば笑っている佐田がいた。
「んぁ~おはよ」
俺は怠そうに挨拶をする。
「アハハ…神山眠そう」
佐田が苦笑しながら言った。
「まぁな~…っと佐田、昨日は悪かったな」
無理に辛い話をさせてしまったんじゃないかと、
気が気ではなかったのだ。
「な~に言ってんの?うち神山のお陰で元気でたし!!ありがと」
フワッと佐田が笑う。
ドキ……ッッ
何だろう、この気持ち…。
今までに感じた事のない
違和感がした。
心臓の鼓動が速い…。
佐田の顔がまともに見れない…ッ
「ぉ、俺急がなきゃいけねんだッじゃな!!」
俺は走って校門をくぐった。
ハァ…思わず逃げて来ちゃったよ…
靴箱でため息をつく。
「け~んいちッどうしたの?」
ヒョコッと勇介が現れた。
「あぁ…勇介」
「何々?何かお悩み事ですか?」
おどけたように勇介が言う。
「勇介…ちょっと聞いてほしい事があるんだ」
俺がそう言うと、
「ふぅん…」
勇介は少し真剣な顔をした。
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