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「ねぇ、桜木さん」
「は、はははいっ」
気が付けば休み時間だった。あたしに声をかけてくる人、めずらしいなぁ。
「あのさ、昨日の話は知ってるよね?それでさ、私たち今夜正体を調べに行くの」
「正体って…“ナニか”を?」
彼女は…確か、南(ミナミ)さん。いつもクラスの中心で、元気な人だなぁってくらいしか記憶にない。
それに、今話すのが初めてに近いかもしれない。けど、あたしにとっては友達になれるかもしれないチャンスだ。
「そう。私と、桜木さん。あともう二人は男子。夜の学校に残るのは危ないけど、正体がなにか気にならない?一緒に調べに行きましょうよ!」
わくわくした目は、あたしの目を真っすぐ見て。
なんであたしなの?なんて聞けないまま、友達になれるかもしれない…そんな思いでいっぱいだったあたしは、
「いいよ」
少し、今もピリピリするこの感じを気付かないフリすることにした。
きっと結麻に言ったら反対されるし、心配させてしまう。…内緒にしとこう。
「ありがとう!あっ、他の子には内緒ね。私と桜木さんの秘密よ」
「う、うん」
嬉しい…。あたしに、普通に接してくれるなんて。
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