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「ありえなくないぜ?実際、俺がいじってる張本人なんだから。占い感覚でちょいちょい、とね!ひゃひゃひゃひゃ。」
「でも、どんな願いもちゃんと叶えて、夢を見せてくれるんじゃないの?!」
カノンは自分がかつて見た夢を思いだしながら文句を言う。変な夢、いつも良いところで目が覚めて途切れちゃうんだ。
「しかーし!たった一夜の権限はすべて俺にあるんでね。ご馳走をたらふく食べようとしてるガキとか、可愛い女の子といちゃついてるオヤジとか、見てるだけでむかつくだろー?」
「えー、そんな悪質なのは嫌だよ。たまには私だって、綺麗に思い出に残るような、映画みたいな夢が見たい!」
「…まあ、見せてやれないこともないけどな。」
夢を覚えていても仕方なくないか?
所詮作り上げた幻想でしかないのに。
現実に引き戻された時に悲しくならないように、ある程度記憶の操作をしてやるのもタイムの仕事なのだ。
しかし彼は、言葉には出さない。
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