1.夢はひらく

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  「ありえなくないぜ?実際、俺がいじってる張本人なんだから。占い感覚でちょいちょい、とね!ひゃひゃひゃひゃ。」 「でも、どんな願いもちゃんと叶えて、夢を見せてくれるんじゃないの?!」 カノンは自分がかつて見た夢を思いだしながら文句を言う。変な夢、いつも良いところで目が覚めて途切れちゃうんだ。 「しかーし!たった一夜の権限はすべて俺にあるんでね。ご馳走をたらふく食べようとしてるガキとか、可愛い女の子といちゃついてるオヤジとか、見てるだけでむかつくだろー?」 「えー、そんな悪質なのは嫌だよ。たまには私だって、綺麗に思い出に残るような、映画みたいな夢が見たい!」 「…まあ、見せてやれないこともないけどな。」 夢を覚えていても仕方なくないか? 所詮作り上げた幻想でしかないのに。 現実に引き戻された時に悲しくならないように、ある程度記憶の操作をしてやるのもタイムの仕事なのだ。 しかし彼は、言葉には出さない。
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