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一生忘れられない夢ってのを、見たことがあるかい。
目が醒めたらまだ胸が高鳴っていて、誰かに話したくなるような、そんな夢。
俺のもとには毎晩、いろんな奴が夢を求めてやって来る。
空を飛んでみたい少女、「好きな子とデートしてみたいんだ」と言う少年、どら焼きをたらふく食べてみたいネコ型ロボット…大人だって例に漏れちゃいない。
老若男女、みんなが目を輝かせながら俺を見上げて言うんだ。
「ほんとに叶えてくれるの?」
あんただってそうさ。
俺は毎晩あんたに会ってる。
夢を見に、この門をくぐりに来るその顔を、俺は忘れないよ。
――あんたは覚えちゃいないだろうが。
夢の門番、タイム。
それが俺の名前だ。
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