0.主人公の回想

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  私の目はその時確かにその人を見ていて、私の心は確かに脈を打っていたはずだ。   「夢じゃない」   だけど私は『彼』と約束した。 一夜限りの夢だ。リミットは朝7時。 いつもどおり朝になったら目覚ましが鳴って、リビングに降りたらパンとか焼けてたりするんだ。 ママのエプロンは赤。 パパのネクタイは…紺かな? 全部いつものとおり。   「でも今だけは…この『今』を本物だと思っていたいの」   有斗、 あなたを夢だと思いたくなかった。   だから、もし神様ってやつが存在するなら(私がこんなことを言うのは珍しい)、暫くの間…時を止めていて欲しかった。   有斗。 ねえ、有斗。 ずっと会いたかったの。  
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