34人が本棚に入れています
本棚に追加
玄関に着くと、小さなリムジンが止まっていた。
須春が車の中で待っている。
「お嬢様、お荷物を」
「ありがとう。……皆ありがとう!」
野想は窓から顔を出しているメイドやシェフ達に手を振って、大声で礼を言った。
すでにドアが開いていたリムジンに乗り込むと、灰色の服を着た男がドアを優しく閉める。
「行ってらっしゃいませ」
「行ってきます」
野想との挨拶を済ませた男が、自分と同じ服を着た運転手に目で合図をすると、運転手はゆっくりとアクセルを踏んだ。
最初のコメントを投稿しよう!