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彼は無理しすぎて
練習中に倒れた。
それから退部を決意したらしい。
当時の事を思い出したくないのか
かなり簡単に説明されて
ちょっと分からない事はあったが
辛かったというのはよくわかった。
それに、それが辛かったから
彼はあたしも同じ気持ちを
していると思って泣いている‥。
あたしも涙がこぼれた。
でも、どうする事もできない
という絶望の涙だった。
彼は部活の事を主に
聞いてくれた。
過食は部活のストレスかもしれない。
そんな結論になった。
『部活‥続けるの?』
『‥やめるかは分からないけど
コンク-ルは出なきゃ‥。』
『絶対?』
『絶対。』
自分に言い聞かせる様に
答えた。
ふと気づくと
話しは全て部活の事だった。
あたしも過食は部活がいけない
って考えてたから別に良かった。
まだあたしは
本当に苦しみ出して
いなかったのだ。
まだまだ長い
苦しみが待っているなんて
思ってもいなかった‥。
この日は、過食を理解されたかは
よく分からなかったのだが
彼に言えた事で満足した。
涙を流してくれた彼を
心から愛しく思った。
辛い時は彼に頼る様になった
のも‥きっとこの日からだろう。
話したから
彼の前でもクレ-プを2個完食
して、お腹いっぱいだが普通に
一緒に晩ご飯を食べ
また
帰ってからいつもの過食をして‥
眠りについた。
彼を心の支えにして。
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