小さな綻び

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翌朝、目が覚めると太陽は既に高く登っていた 私はおぼつかない足取りでキッチンへ向かった 冷蔵庫を開け冷たい水を流し込むと一気に目が覚めるのを感じた 「‥ふぅ~」 小さくため息を吐くとテーブルの上でチカチカ光る携帯を手に取った 隼人からの着信と 紗香からのメール‥ 私は紗香にだけ今日は休むと伝えて携帯を閉じた そのまま着替えを済ませ家を出た 電車に乗って着いた場所は‥‥ あるお屋敷の前‥‥ インターフォンを押そうか迷ってると ガチャン 突然玄関の扉が開く音が聞こえた 「‥‥えっ?あら、蒼ちゃん?!」 玄関から出てきたその人は目を丸くしたままこっちへ歩いてくる 「まぁ、まぁ久しぶりねぇ」 「はい‥ご無沙汰しております。‥‥おば様」 出て来たのはいっくんの養母、茉莉さんのお祖母様だった おば様はにっこり笑って家の中に招き入れてくれた  
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