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そう言えばそうだった
昔よくいっくんに花の名前を尋ねた
何を聞いても答えが返ってくるのが嬉しくて何度も何度も尋ねたんだった
「一樹があんなに勉強熱心だったのは蒼ちゃんの為だったのねぇ」
おば様はそう言って小さくため息を漏らした
いっくんは昔から何でも出来る人だった
私が学校に行けなかった時期でも、先生の変わりにいっくんが勉強を教えてくれた
だから学校に通えるようになった時、私は周りに劣る事なく勉強についていけた
あの頃の私はいっくんが全てだった
でも、今は‥‥
「私、今好きな人が居るんです‥」
自分でも何で急にそんな事を言い出したのか分からなかった
「まぁ、そうだったの!」
ただそう言った後、おば様は目を輝かせて喜んだ
きっと私がいっくんに対して諦めが付いた事に喜んでるのかも知れない
今この瞬間、おば様は今までの罪悪感から逃れられたのかも知れない
そんな事をぼんやりと考えていた
今の私は‥人の気持ちを純粋に受け止める事さえ出来なくなっていた
私、最低だ‥
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