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「蒼っ!」
マンションに着くとマンションの中から見覚えのある姿が飛び込んできた
「良かった‥。携帯も繋がらないし、心配してたのよ?」
「ごめんね、紗香。とりあえず中入って」
私は紗香を連れてマンションの中に入った
「蒼‥本当に大丈夫なの?」
紗香が私の顔を除き込む
「顔色悪いよ?」
「ん。まだちょっとね‥」
ただの風邪だから大丈夫、そう言って誤魔化したけど紗香は納得してないみたいだった
「ねぇ、隼人くんと何かあった?‥隼人くんも今日元気ないみたいだったけど」
隼人‥
「昨日ね‥隼人が女の子と二人で歩いてるの見ちゃったんだ‥」
目を瞑ると思い出す
隼人の隣に私以外の女の子がいる姿
「紗香ぁ‥私変なの‥‥。
苦しい…胸が苦しいの‥」
私の目からはいつの間にか大粒の涙が溢れていた
「隼人くんには‥聞いてみたの?」
私はゆっくり首を振った
「怖くて‥聞けなかった。電話もメールも、無視しちゃった」
服の袖でグイッと涙を拭う
「本当はね、分かってるんだ。私の勘違いだって‥‥」
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