小さな綻び

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「?‥高橋さんがどうかしたんですか?」 私がそう言うと皆の動きがピタリと止まった 「‥まさか蒼ちゃん‥気付いてなかったの?」 「何にですか?」 皆が言ってる言葉が分からず聞き返すと、盛大なため息が洩れた 「高橋、あんたの事が好きだったのよ?だから、男が迎えに来るたびに落ち込んでたんだから」 その後ミナさんは、気付いてないのはあんただけだよ?ってダメ押しされた ‥そうだったんだ。 高橋さんって誰にでも人懐っこいし、ただジャレてるだけだと思った でも別に告白された訳じゃないし‥聞かなかった事にしちゃっていいかな? 私がそんな事を考えてる間にも皆は“可哀想なやつ‥”と高橋さんに対して口々に洩らしていた 「そう言えば佐知は最近彼氏とどうなの?」 「それが全然ダメ!束縛が強すぎて‥毎日どこ居たの?誰と居たの?何してたの?っていい加減にしてっ!って感じですよ~」 佐知さんはバイト先の先輩でいつも彼氏と仲良く帰ってくのが印象的だったのに‥ お酒が入ってるからかなり饒舌 束縛かぁ‥ 私が今思ってる事も束縛に入るのかな? だって、隼人とあの子と一緒に居るの見てるの嫌なんだもん。  
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