小さな綻び

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「蒼ちゃんお疲れさま!」 バイトを終えて控え室に入ると先にバイトを上がっていた高橋さんが寛いでた 「あ、高橋さん‥お疲れさまです」 「うん、お疲れ。今日も彼氏のお迎え?」 多分、高橋さんは何気なしに行った言葉だろうけど、私は返事に戸惑ってしまう 隼人‥迎えに来てるのかな? 携帯を見ても何も連絡ない 「‥ケンカ?迎えないなら送ってこうか?」 携帯を見詰めたまま固まってしまった私を見て高橋さんが車のキーらしきものをちらつかせた 「‥いえ‥多分、大丈夫です。高橋さんっていつも車なんですか?」 携帯を鞄に戻し帰り支度をしながら話しを逸らした 「シフト遅い時はね~。今日バイト遅刻しそうになったから車で来たんだよ」 「そうなんですか?あ、そういえば昨日はありがとうございました。わざわざ家まで送ってくれて‥」 「いいんだよ。蒼ちゃん女の子だし、あんな時間に一人で帰らせる訳にはいかないしね~」 その後、高橋さんと一緒に裏口から出ると‥ いつもと同じ場所に隼人が立っていた 「‥あ‥」 「迎え来てたみたいだね?じゃぁ俺は帰るよ」 高橋さんは帰る間際に私の耳元で隼人に聞こえない様に 『早く仲直りしなよ?』 そう言って帰って行った  
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