小さな綻び

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その叫び声にハッとして我に返った 「‥なに?」 声のした方を見ると 渡り廊下の入口で2人の男子がケンカをしていた さっきの叫び声はそれを止めようとした女の子のものだった 私たちが居る場所から少し距離はあるものの、あの勢いではここまで来ないとも限らない 彰先輩は私を庇う様に自分の背中に押しやった 先輩の背中越しに見えた光景は 殴りあいを続ける男たちを必死で止めようとする女の子‥‥ 「やめて、お願い!もうやめてっ!!」 泣き叫びながら殴りかかってる男の子を止める 「‥っッ!?」 『イヤッァ!やめて、‥もぅ‥やめてぇ!!』 閉ざされた記憶が甦る 固く閉ざされた扉は簡単に開いてしまった‥‥  
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