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ぎゅっと腰に手を回して潤の背中に噛みつく。
朝の空気は澄んでいて好き。
『いいにおいだね。』
「俺の背中?」
『もうすぐ死んじゃうの?』
「ん?」
『春。』
「そだな。春、もうすぐいなくなっちゃうな。たんぽぽ飛ばすのできなくなるな。」
『ん。』
心地いい風に髪を揺らしながら、遠くをみるように自転車をこぐ潤をのぞきみると、名残惜しい春がもっと名残惜しく感じた。
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