いるいらない

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いるいらない

どうせいつもの朝なんだけど、何かいいことがないかなあって、どうせいつもの朝になってしまうまで願っているわたしは、普通の人間にかぶれてしまう自分に焦りを覚える。 やっぱり特別でありたいんだ、わたしだけが。 結局は逃れてる。 わたしだけ特別だって想えば 独りでいるのにだって意味が生まれるような気がするから。 「おはよ、花。」 『ん。』 どうせいつもの朝。 『潤。』 「ん?」 『今日は急いで。』 「なんで。」 『なんでも。』 「そっか。」 いつもより速く過ぎる景色に目が眩む。 テレポートできたら良かったのに。 そしたらこんなもどかしい朝いらなかったのに。 .
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