01 ‥ 君影

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俺と彼女の関係は、ごく単純に表せる。 セフレ。 ただ、それだけ。それだけだ。 secret one ‥ 君の影  ベッドの軋む音、纏わり付く熱気、聴覚を満たす甘い声。 今日も彼女は貪欲だ。  けど俺は知っている。彼女をこれほどまで貪欲にさせる理由を。 「また別れた?」 「…なんで」 「いつもよりしつこかったし」 「あんたにはなんでも分かんだね。…なのになんであいつには分かんなかったんだろ」 「そりゃー俺の方がユウカさんと長いからじゃないっすか」  隣で枕に顔を埋めながら彼女は何か呟いたけれど、くぐもる声では聞き取れなかった。 「なんすか」 「なんでもない」 「気になるじゃないっすか、言って下さいよ」  枕に埋めていた顔をこちら側に見えるように向け、彼女はとんでもないことを言ってくれた。 「タツとだったら上手くいくかなって」 「…そりゃユウカさんとは体の相性バッチリですから?夜の営みなら上手くいく自信はありますよ」  俺は彼女とは反対の方向へ向き直り、寝る態勢に入る。
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