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初めて会ったとき、俺は彼女を知らなかった。
二度目に会ったとき、俺は彼女を知っていた。
始めから彼女は、ずるい人だった。
secret two ‥ 君との始まり
学校帰りに友達の家に寄り、前にため置きしておいた私服に着替える。紫煙を部屋に満たしながら今夜のナンパ計画をもう一度振り返り、あわよくばお持ち帰りできたときの妄想を繰り返して二人で笑った。
車のクラクションの音に慌てて家を駆け出て、運転席にいる先輩に挨拶を忘れずし、俺たちは彼の車に乗り込んだ。
「お前らに今日は俺の女紹介すっから。手ぇ出すんじゃねえぞ」
「もちですって先輩!なあタツ」
「先輩の彼女さんなんかに手ー出せるわけないじゃないすか。半殺しにされるの分かっててする奴がいたらただの馬鹿っすよ」
着いたのは小さなクラブハウス。けれど外まで漏れてくる爆音と嬌声は、普段の収容人数からしてみれば許容オーバーしかけていることをうかがわせた。
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