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中学生の時、何かにつけてよくツルんでいたダチが2ヶ月前に事故で亡くなった。
そいつは何をするにも熱くなりがちで、テストや体育の授業なんかはしきりに勝負を挑んでくるような奴だった。
俺とそいつは勉強もスポーツも同じくらいの実力だったから、俺も競うのはすごく楽しかった。
今思えば、学生生活が退屈なものにならなかったのはコイツのおかげだったとも思える。
ある日、同じクラスの奴がバイクで事故って亡くなった。
葬式の日にそのダチはあまり交友もなかったそいつのことを思ってボロボロ泣いていた。
当時男が泣くことを恥ずかしいことだと感じていた俺も、本気で泣いてるこいつを見た時に「いい奴だな」と思ったのを覚えてる。
今も忘れないその帰り道のこと、ダチが「葬式って悲しいな」って言った。
「そりゃそうや。人が死んでんから」って俺が答えると、
「お前、俺が死んでも泣かんでええからな。
むしろ笑え。
俺が生きてた頃にやったバカなこと思い出してみんなで笑ってくれや」って言った。
「アホか。どこに葬式で笑うヤツがおんねん」って俺が言うと、
赤い目したダチが
「悲しい葬式なんかおもろないやろ。
それに俺、泣かれても嬉しないもん。
せっかくみんな集まるんやからバカ騒ぎしたらええ。
それで1人でええから、俺みたいなヤツでも死んだら寂しくなるなって
思ってくれるヤツがいたら満足や」
って、笑って言った。
俺は「アホや!こいつアホや!」ってちょっとキザっぽく言うダチを笑った。
おい、お前の葬式、俺泣かんかったぞ。
写真の前で手合わせてからニコニコ顔で出てきたった。
だって、お前がそう望んでたんやからな。
勝手に死んで、アホか。
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