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「おらおらおらおらぁ!準備はいいか…野郎ども!!今日もステージ開幕だぁあ!」
イエヤァアア!
客の叫び声とともに、ギター、ベース、ドラムの楽器の激しい音が会場中を響かせた。そんな中、ヴォーカルのフォルテがマイクを手にシャウトを穿くように歌い始め、より一層会場を盛り上げた。
ガシャアアン!!!!
すると、いきなり何かが壊れるような音がし、メンバーそして観客全員が一斉に音のした方を向いた。
そこには何か黒い人の形をしたようなものが、煙りを出しながら立っていた。
「な、なんだ…こいつっ」
ぶるりとビートの背中を悪寒が駆け巡った。
観客達もその存在に気付いたのか走って逃げる者もいれば、腰が抜けてしまい、その場を動けない者まで居た。
「お姉ちゃん…あれ」
「逃げるのよ!ミュート!!あれ…に、人間じゃないっ」
慌ててミュートの手を握り逃げようとしたが、ミュートは固まったまま動こうとしなかった。
「ミュート!!ミュート!!…!?」
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