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気付くと黒い物体がミュートの目の前に立っていた。
ミュートはというと、ただじっと見つめているだけだった。
「!?…ファイン!!ミュー坊!!」
「ビートぉ!」
するとビートが慌てて二人の所へと走った。
「クソ!!近づくな!」
持っていたギターを大きく振るい、黒い物体に直撃させた。
「ほら!早く逃げろ!」
「う、うん」
ビートは二人を下がらせると、ギターを武器かわりに構えるともう一度大きく振りかざした。
が、しかし二回目は通用しないのか、黒い物体はビートの攻撃を軽々と避け、足をニードルのように変形させビートの腹部目掛けて突進して来た。
「くそっ…!」
「「ビート!!!!」」
目の前がスローになる…
俺、攻撃喰らったのか?
皆の声…エコーかかってるし…
何なんだょ…
俺のライブ返せよ…
「ちくしょう…」
そうビートが諦めかけたときだった。
『なんだぁ?坊主、もう諦めんのかよ?』
「え」
『てめぇの魂その程度かっつってんだよ』
「なっ!」
姿の見えない相手に対し、ビートは苛立ちを見せ、眉間に皺を寄せながら小さく吠えた。
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