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『美穂~。
今日何件入った?』
小学校からつるんでいた、所謂…悪友と呼べる存在。
由紀。
中学だけは違ったけれど、まめに連絡を取り合う程の仲だ。
携帯と睨めっこしていた由紀が、突然あたしに投げかけた。
『125件。由紀は?』
『あたし100ジャスト~!やっぱ美穂、文章能力あるね~!』
携帯に送られてきたメールの多さに…いや、たった25件の差に、由紀の大きな瞳が見開く。
『そーかな。出会い系って文章能力も何もいらないでしょ。
でも、当たりは1人だよ。』
そう、あたし達は出会い系サイトにコメントを載せて
それを見た馬鹿な男共がハイエナのように、あたし達の携帯にメールを送り付けている。
『あたしも1人~。
全然金になんないね。』
あたし達の『当たり』
それは、あたし達にバイトをくれる人のことだ。
100件以上来るメールの中に『当たり』は
多くて2人、少なくて0人がほとんど。
それ程、あたし達が出したバイトの条件が難しすぎるということだ。
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