新しい宝物

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翌日、リルの家の近くに小さな船が乗り上げていました。そして中からリルよりも年上らしき男の子がでてきました。 「船が壊れちまったから、直るまでここで泊まらせてくれないかな?もちろんお礼はするよ」お礼なんていりません。だってこの家にお客さんを招いたのは初めてなのですから! リルは喜んで家に招き入れました。 男の子の名前はユグ。ユグは一日中船を直していました。リルは手伝いながらユグの航海の話を聞かせてもらいました。 東の海にでる大きなタコを仕留めた話、南の海にいた美しいイルカの話、色んな話を聞かせてもらいました。 楽しい時間は過ぎ、あっという間に夜です。満天の星空は昨日と変わりなく光り輝いています。そしてリルはユグと二人で空を、星を見上げました。ユグがリルに色んな話をしたように、リルもユグに星の話をいっぱいしました。 誰かのために話せる楽しさをリルは初めて知ったのです。 「こんな時間がずっと続けばいいのに」 そんな事をリルは思いました。     つづく
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