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「俺的に超難問。
質問なんですけどー」
くるり、椅子を回転させて奴の方を向く。
ぱらり。
雑誌を捲る手が止まり、奴が顔だけ此方に向けた。
じろり。
眼鏡の奥の琥珀の瞳に一瞥されて。
一応、不機嫌じゃない事を確認する。
「なんだ?
この期に及んで下らねえ質問ほざきやがったら承知しねえぞ」
うわぁー。
超不機嫌ぢゃん。
しずかこわーい。
あー。
怒っても美人。
いや。
今はそんな事考えてる場合じゃねえな。
「や。
やっぱり後でも良い…」
「さっさとしろ、ボンクラ。
さっきから人の顔チラチラ見やがって。
何かあります、って顔と態度に出てるの気付かねえなら、いっそ悩む前に聞けや」
「…すんません」
なんで謝ってんだろ。
てか、ボンクラ?
はい。
アナタ様の仰る通りで御座います。
言った手前、後には引けないこの雰囲気。
口ごもる俺に、寝そべってた奴が起き上がって。
ベッドの端、目の前に座り直す。
「なんだよ」
「あーの。
ですね」
…怖いなぁ。
真面目にやらなかった俺のせいだけど。
聞きにくいなぁ。
あー。
最悪。
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