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YESかNOか。
それだけを答えればいいだけなのに。
俺には。
そのどちらを選ぶ事も出来ない。
「お…かしい、だろ。
それ」
「なにがだよ」
射抜く様な視線に
その顔から目が離せない。
そうだ。
この条件はおかしい。
「だって…さ。
教えたら辞める、とか。
なんでだよ」
心臓が倍の早さになって。
声が震えて。
「聞けば分かるよ。
簡単だろ。
どうしても言わせたいなら俺をクビにしろ。
この話を止めるなら、来週から元通りだ」
「…狡い」
そうだろ。
まるで。
その答えには辞めざるを得ない事情があるみたいに。
…事情?
どんな?
どうして
こうなったんだろう。
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