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言葉が。
細胞の一つ一つに染み込んで。
この綺麗な人で満たされていく。
清涼な水を飲んだ時に似ていて。
酷く
清しいのに。
「ごめんな。
でも、これで分かっただろ?
俺が好きなのは誰か。
なんでクビにしろって言ったか」
呟いて。
直ぐに腕は離れて。
眼前に立つ奴を見上げたら。
『普通』に戻っていた。
「言われて気持ちの良い事を言ったんじゃないって分かってる。
しずかちゃんの事、困らせるつもり無いからさ。
事故にでもあったと思って忘れてよ」
ふわり、笑んで。
「て、訳でもう来れないから。
カテキョ。
面倒かも知れないけど。
新しい奴探してくれな」
じゃぁ、って。
どうしてあの人は行ってしまおうとするんだろう。
待ってよ。
まだ、俺。
なにも言ってないのに。
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